月に30〜50冊ほど、私は本を入手します。
1日に1.5冊の頻度ですね。
新本、古本問わず、自分が興味持ったものは、片っ端から手に入れます。
なので、ジャンルはバラバラ。
主に、音楽やアート系、あと思想系が多いですが、グッと来たタイトルや装丁があったら、なんでも買います。
だから私にとって、「本」というモノは、その情報以上に、オブジェ性の方が強いのです。
私の部屋にはおびただしい数の本が積まれていますが、半分以上は完読していません。
もっと言えば、1ページすら読まず、パラパラ目を通しただけのやつが多いほど。
人は欲張りなくせしてクソ真面目な生き物なので、「ちゃんと最後まで読まなければ!」と思いがちです。
私も、積ん読タワーが乱立するにつれ、「ダメだな、自分……」と意味なく凹んだことがあります。
だけども今、声を大にしてこう言いたいです。
「そもそも本というのは、隅から隅まで読む必要なんて無い媒体なのだ!」
ジャケ買いというのがありますが、それと同じく、タイトルや装丁が良いので欲しくなって所有欲を満たす。それだけで、本の価値は十分発揮されています。
この考えに私がシフトしたのは、敬愛するみうらじゅんさんのこの言葉を知ってからです。
紀伊國屋とか大きい書店でぶらついて、グッと来たものを買うんです。『ふぐ調理師入門』とか『イカ大辞典』とかね。自分の役に立つとか二の次で。それで良いんですよ、その時点で勝ちなんです。自分が興味を持てたという証としてね。あとでふと読みたくなるかもしれないし。
たしかに、『ふぐ調理師入門』とか、『イカ大辞典』なんて、普通いらないですよね。
というか、絶対いらない。
でも、みうらさんのように、「興味を持てた!」というのが大事で、本を所有する喜びはそこにあります。
なぜって、本は「自分を映す鏡」なのですから。
私は、本屋に行ったらすべてのコーナーを見て回ります。
受験生でもないのに赤本を眺めてみたり、スポーツ本コーナーに行って「へー、ボウリングの専門誌なんてあるんだ」と発見したり、プライドを捨て女性ファッション誌を手にとっては最近のトレンドを知ったり……
そこで、グッと来るものがあったら、即購入です。
ジュンク堂や三省堂といった超大型書店の場合、かなりの重労働です。
ジュンク堂書店池袋本店の場合、地下1階から9階まであるんですからね。でも、身体も動かせて運動にもなるので、一石二鳥になるんですよ。
かつては、開店から閉店まで1日中過ごしたこともありました。イスが設置されていたり、喫茶店もあったりするので、快適でしたね。
ところで、「専門バカ」なる言葉があります。
ですがそれでは、視野狭窄に陥りがちです。
そうならないためにも、街を徘徊する犬のごとく、すべてのコーナーをまわってみましょう。
Amazonで探すよりも、良い本に巡り合う確率は圧倒的に高いです。
そして、グッと来たものがあったら、即購入しましょう。
中古本で安く買うのも良いですが、衝動買いをすることで本能に忠実になり、「自分の興味の実態」が明らかになるわけです。
先述しましたが、私は本の中身(コンテンツ)よりも、本そのもの(物体)が好きだということに自覚的になりました。
ビブロフィリア、愛書家などと言うのですが、その意味でも私はべつに読書家でもなんでもないのです。
やはり、本という「モノ自体」の圧力は大きい。
装丁から紙質まですべてが作品というか。
だから、買ったその時は読まなくとも、本棚にあるだけで無意識に刷り込まれてくる。
時間が経って、ふと読んでみる、なんてことも多々あります。
そのため、本は極力「モノ」の方を入手するのをオススメします。
特に、アート系のやつは大きさと紙質、そしてインクの威力がものすごいのです。
このあたり、デジタルでは絶対に表現できないこと。
あと、学習系も紙の本を使った方が良いですね。
Kindleでもなんでも、デジタル媒体だとパラパラめくれないし、書き込みもし辛いし、なにより目に悪いです。
紙本の嬉しい特典として、参考書がボロボロになってそれを手にすると、「ああ、これだけ勉強したんだなあ」と感慨深くなります。
自己満足ですけどね。でも、それがいいんです。
相変わらず断捨離ブームらしいですが、過剰すぎるように見られます。
加えて、乱暴な言い方をするならば、モノを簡単に捨てる人は、他人のことも簡単に捨てます。
「また安く買えば良いじゃん」という発想もどうだか。
私は本だけでなく、極力モノは処分しないよう気をつけています。
その時「いらない」と思っても、数年後には「やっぱり捨てなければよかった…」という経験を何度もしてきたからです。
これってなかなか、辛いんですよ。
もちろん、整理整頓も意識づけてやっています。
部屋がごちゃごちゃだと、頭も混乱してしまいますからね。
たとえば本棚の整理をすると、ものすごく気持ちが良いです。
最後に、今後、私の人生で絶対にやるべきことのひとつ。
それは、書庫を作ることです。
書庫、といっても、保管をメインとするわけではありません。
展示され、興味を誘い、気づいたら何かを手に取って読みふけっている。
そんな空間。
それは一つの果てしない世界を構築することを意味するわけです。
・おまけ
サムネイルに使ったのはパークハイアット東京のロビー廊下にある本棚です。
実際に行ってみると分かりますが、この空間は本当にすごい!
夜になるとライトが照らされて、それがまた美しい。
ワクワクが止まらない!とはこういうこと。
本好きな方は、是非是非!
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