この頃、私は常にカメラを片手に外へ出ています。
39度のとろけそうな日でも、パシャパシャとにかくスナップ。
目的やコンセプトなんてものはありません。気になった「モノ」があったら、ただシャッターを切るだけ。
1日2、300枚は撮っているので、メモリーカードの容量はすぐいっぱいになってしまいます。
15歳にスナップ・デビューをして以来、長く経ちましたが、ここまで量を撮るようになったのは初めてです。それも毎日。
もはや日記のようなものなので、「日写」と呼んでます。
「ちょっと日写してくるわ」みたいに家を出て。
なぜ、スナップなんかしているのか?
自分でもよく分かりません。
それも今やスマホで撮れるのに、わざわざカメラを使って。
ちなみに、私が愛用しているのは、RICOHのGRです。
スナッパーにとっては標準機といった感じで、ホントによく出来ています。
最新機種ではなく、私は型落ちのGR Ⅱを使ってます。
もちろん、壊れるまで使う予定。
そもそも、カメラなんて撮れれば何でも良いのです。
じゃあなんでスマホじゃないかと言うと、スマホでパシャパシャ撮るのって、意外と難しいんですよ。
電池も消耗するし、持ちにくいし、落としたらディスプレイ割れちゃうし。
がっちりスナップしたいなら、GRのようなポケットサイズのコンデジが未だ必須です。
外に出て適当に撮っていくと、「この世ってのは、モノで出来上がってるんだな」というのを実感します。
そもそも「モノ」が存在しないと、写真なんて撮れません。
太陽、雲、建物、機械、そして人。
すべてがモノです。
それらを目撃した時、撮るかどうかという一瞬の動機が、「グッと来た!」という心の反応。
で、気づいたらシャッターを切っていて、また次の視点に移っています。
それは思考より早く、カメラと身体が一体化しているような感覚なのです。
「モノ」なんて言うと、かつてあった「もの派」や、今でいう「オブジェクト」なんてスカした言葉を連想しますが、そんなのどうでも良いです。
もう純粋に物理的な「モノ」。
それをどう見て、どう感じて、どう自分の中でフィードバックを起こすのか。
私がスナップをする理由のひとつは、そんな実験要素が強いからかもしれません。
「虚構と現実」
20年来、私の中にあるこの二項対立。
多分一生、その答えのない鎖に縛られて、私は生きていくのでしょう。
ま、そんなことは良いとして、スナップ撮影をしていると、「これは現実なのか、夢なのか……?」という感覚になることがあります。
炎天下の住宅街、人混みの駅前、夕暮れの川沿い……
そこで撮ってると、トリップ感満載で非常に面白いのです。
が、ちょっと別の世界にイッてしまいそうで、怖くもなります。
先に「コンセプトなんてない」と書きましたが、自分でも気づかない裏テーマとして、そんな「虚構を撮っているのか?現実を撮っているのか?」という問いは、存在するのかもしれません。
街中でスナップをする際、気になるのが「人目」。
ですが、場数を踏めば、そんなのどうでも良くなります。
最低限のマナーを守れば、誰も何も言いませんし、気にすらしていません。
幸いにして、「おいゴルァ!」と怒鳴られた経験はありません。
今後は分かりませんけどね。
ま、その時は素直に謝って、その場を過ぎ去れば良いのです。
それでも人目が気になる方は、「人はモノ」と思い込むことです。それも徹底的に。
たまたま「言葉」を使ってくるから面倒くさいだけで、人間なんざ犬猫や電柱なんかと変わらない存在。
「客はジャガイモと思え!」と同じです。
撮りためた写真は、定期的にパソコンに入れて整理し加工した方が良いです。
私はPhotoshopで加工をしていますが、なんでもかまいません。
深夜、ウィスキーを舐めながらやる写真加工は、密教的で面白いですよ。
撮ったやつで9割ぐらいは気に入らないのですが、基本は削除しない。
10年後に見返した時に「いいね!」と思えるかもしれませんからね。
で、「おっ!」と思えるのが見つかった時のワクワクがドーパミンを大分泌させて、気づいたら朝になることも。
加工といってもべつに凝ったことはしません。
トリミングやモノクロ加工をする程度。
そして、グッと来たのを現像したら、次の写真へ……そんな繰り返し。
日々使っているコンデジには愛着がありますが、本当はカメラなんて持ちたくありません。
自分の目だけで撮影できて、それを現像できるようにしたいぐらい。
一眼レフなど、カメラも凝ったら面白いのでしょうが、個人的には「撮れりゃ何でも良い」ので、さして興味がありません。
上手い撮り方とかも分からないし、べつに分からなくても良いし。
ただ、フィルム(銀塩)で撮ってみたい気持ちはあります。
正確には、「フィルムそのもの」が欲しい。映ったものはどうでも良くて。
やはりこれも、「モノ」性を、肌で感じたいからかもしれません。
最後に宣伝。
Instagramで写真あげてるので、気になった方はぜひぜひ!
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