ウィーンは世界一住みやすい街だそうです(2回目)。
が、タオル1枚を求めて街中歩き回った私からしたら、そんなこと全く思いません。
そもそも、「タオルを買い求める」という経験をしたのは生まれて始めてです。
ユニクロや無印、もっと言えば近場のスーパーやコンビニにも売ってる世界から来た人間からしたら、ものすごい苦行でした。
まずは衣服店に入って、探します。
3,4店舗入りましたが、どこにも置いてない……
店員に聞いてみると、「無い」と即答。
「じゃあ、あんたらは、普段どこでタオルを買ってるんだ?」と返したかったです。
そしてまた歩く、歩く、歩く……
文明の利器を使っても、店に実際に入ったら無いの連続。
これだけ探しました。
クチコミも当てになりませんね。
頭の中では、「タオル買うために、はるばるウィーンに来たのか?」となって超ブルー。
と同時に、「なんで日本には、なんでもあるんだろう?」と思いました。
先述の通り、日本ではタオルぐらいコンビニでも買えます。
しかも欲しい時に24時間どこでも!
ここで、「便利さとはなんぞや?」という疑問が生じます。
たしかに、日本の超絶サービス社会はありがたいことです。
いつでもどこでも、お腹が空いたらコンビニや牛丼屋に行けば良いし、喉が渇いたら自販機で買えば良い。それも安く簡単に。
しかし、この裏には資本主義に根付いた大量生産・大量消費の策略が渦巻いています。
それに気づかず甘えて、だんだんと思考停止化してゆく……
これは、決して考えすぎた見方ではありません。
「便利さ」と引き換えに、無意識に何かを失っている。
そんな気がしてならないのです。
で、タオルの話なのですが、ようやく売ってる店を見つけました。
下着とかを扱っている店に置いてました。
ただ、私が欲しいサイズは一切見当たりません……
私が求めていたのは、スポーツタオルか手ぬぐいのようなサイズ。
これでシャワー後に身体を拭くのに使えますからね。
でも、そのお店にあったのは、中途半端のだったり、デカすぎるのだったり…
ただ、ここまで来て何もゲットしないのは悔しいので、こんなのを買いました。
上手く形容できないですが、パスポートを入れるのにちょうど良いぐらいのサイズ。
店の人に聞いたら、「これでも身体を拭ける」とのこと。
私は運動時に使おうと思いました。
ちなみに値段はこれぐらい。
日本円で5,600円ぐらいですか。高いですね。
大事に使おうと思います。
ウィーンというかヨーロッパには、古いものを大事にする風土があります。
これは「モノを大切に使ってゆく」ということを意味します。
したがって、ファストなものはあまり見当たりません。
ティッシュですら高めで、日本のドラッグストアにあるような5箱詰めなんてものは置いてません。
鼻炎持ちの私からしたら困りものですが、これも一考に値します。
そもそも、なんで日本はこんなに大量生産・大量消費社会となったのでしょう?
というか、いつから?
言わずもがな、戦後アメリカ型社会になってからです。
時代が経つにつれ、「もったいない」なんて言葉は陳腐化してゆきます。
つまり、アメリカ型大量生産・大量消費×サービス精神の掛け合わせが、今の日本を生んだわけです。
ということは、アメリカをちゃんと見なくてはならないのか……?
つーか、なんでウィーンまで来てアメリカなんだよ……
まあ、そんな世界を表現したアンディ・ウォーホルってすごかったんだな……と、ふと思いました。
(洗剤のBrilloの模造箱を大量に作って積んだ、大量生産・消費社会と鏡合わせのような作品。キャンベル・スープも同系列の作品です)