BLOG 2022.09.10

タオルを買い求めたことはあるか?大量消費と便利さについて〜ウィーン紀行2

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ウィーンは世界一住みやすい街だそうです(2回目)。

が、タオル1枚を求めて街中歩き回った私からしたら、そんなこと全く思いません。

そもそも、「タオルを買い求める」という経験をしたのは生まれて始めてです。

ユニクロや無印、もっと言えば近場のスーパーやコンビニにも売ってる世界から来た人間からしたら、ものすごい苦行でした。

 

まずは衣服店に入って、探します。

3,4店舗入りましたが、どこにも置いてない……

店員に聞いてみると、「無い」と即答。

「じゃあ、あんたらは、普段どこでタオルを買ってるんだ?」と返したかったです。

 

そしてまた歩く、歩く、歩く……

文明の利器を使っても、店に実際に入ったら無いの連続。

これだけ探しました。

クチコミも当てになりませんね。

頭の中では、「タオル買うために、はるばるウィーンに来たのか?」となって超ブルー。

と同時に、「なんで日本には、なんでもあるんだろう?」と思いました。

先述の通り、日本ではタオルぐらいコンビニでも買えます。

しかも欲しい時に24時間どこでも!

便利さと引き換えに……

ここで、「便利さとはなんぞや?」という疑問が生じます。

 

たしかに、日本の超絶サービス社会はありがたいことです。

いつでもどこでも、お腹が空いたらコンビニや牛丼屋に行けば良いし、喉が渇いたら自販機で買えば良い。それも安く簡単に。

しかし、この裏には資本主義に根付いた大量生産・大量消費の策略が渦巻いています。

それに気づかず甘えて、だんだんと思考停止化してゆく……

これは、決して考えすぎた見方ではありません。

「便利さ」と引き換えに、無意識に何かを失っている。

そんな気がしてならないのです。

 

で、タオルの話なのですが、ようやく売ってる店を見つけました。

下着とかを扱っている店に置いてました。

 

ただ、私が欲しいサイズは一切見当たりません……

私が求めていたのは、スポーツタオルか手ぬぐいのようなサイズ。

これでシャワー後に身体を拭くのに使えますからね。

でも、そのお店にあったのは、中途半端のだったり、デカすぎるのだったり…

ただ、ここまで来て何もゲットしないのは悔しいので、こんなのを買いました。

上手く形容できないですが、パスポートを入れるのにちょうど良いぐらいのサイズ。

店の人に聞いたら、「これでも身体を拭ける」とのこと。

私は運動時に使おうと思いました。

ちなみに値段はこれぐらい。

日本円で5,600円ぐらいですか。高いですね。

大事に使おうと思います。

超アメリカ化に大成功した国・JAPAN

ウィーンというかヨーロッパには、古いものを大事にする風土があります。

これは「モノを大切に使ってゆく」ということを意味します。

したがって、ファストなものはあまり見当たりません。

ティッシュですら高めで、日本のドラッグストアにあるような5箱詰めなんてものは置いてません。

鼻炎持ちの私からしたら困りものですが、これも一考に値します。

 

そもそも、なんで日本はこんなに大量生産・大量消費社会となったのでしょう?

というか、いつから?

 

言わずもがな、戦後アメリカ型社会になってからです。

時代が経つにつれ、「もったいない」なんて言葉は陳腐化してゆきます。

つまり、アメリカ型大量生産・大量消費×サービス精神の掛け合わせが、今の日本を生んだわけです。

ということは、アメリカをちゃんと見なくてはならないのか……?

つーか、なんでウィーンまで来てアメリカなんだよ……

 

まあ、そんな世界を表現したアンディ・ウォーホルってすごかったんだな……と、ふと思いました。

(洗剤のBrilloの模造箱を大量に作って積んだ、大量生産・消費社会と鏡合わせのような作品。キャンベル・スープも同系列の作品です)