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都市景観を研究している人が、「景観は作らさるもの」と言っていた。
作らさるは北海道弁で、結果としてそうなったものと言ったようなニュアンスだと思う。
絵として描かれた風景が、実際にある風景のように振る舞うためには、風景を形成している諸要素を丁寧に描く必要がある。そうして風景を観察すると、それらの諸要素が集合した結果としてその風景が作られており、描く時にもまた、それらの諸要素を集合させることで、その風景のように振る舞っているという(当たり前な)事に気がつく。
例えば漫画の背景も、詳細まで描かれていないと現実感のない空間になる。逆に良くできた3Dゲームなどは丁寧にオブジェを並べてテクスチャを貼り光も演出する事でリアリティのある空間を作っている。
「景観は作らさるもの」と言うように、景観は諸要素が集合してその風景を作り出し、その街らしさを演出している。繁華街の光る看板で明るい印象やオフィス街の整然とした印象。それらもまた、その街が必要としている印象のため決められたルールのもと諸要素が配置されていった形である。
そしてそれをさらになぞり作られる風景は、「作らされた景観」のアウトラインを浮き上がらせ、ルールを踏襲しているのだ。
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